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「そうやって人を集める事で、自分の力の足りない分を補っているのだろう。
そもそも自力で生きていけないから、人は大勢集まってるんだ。
所詮は弱さを補う為の手段にすぎん。
人間はそうして集まり助け合う事で生き延びてきたんだ。
群れるのは弱い生き物が生き延びる為の常套手段だろう。」
「確かにお前の言う通り、弱い生き物が群れるのは生き延びる為の手段だ。人間が集まるのは同様の理由もあるだろう。」
エレンはディエスの言葉を否定出来なかったが、そのまま認める事は出来なかった。
「だがそれだけじゃない。そんなものとは無関係に、ただ純粋に誰かの力になりたい、助けたいと思う心が人間にはあるんだ。」
エレンは世の中には利害や欲得とは関係ない、純粋な善意もある事をわかって欲しかった。
「そんなものは錯覚だ。
人が自分達に都合よく生み出した幻想にすぎん。」
だが、ディエスには伝わらなかった。
そもそも善意や優しさといったものを知らないディエスに理解する術もなかったのだ。
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