4628人が本棚に入れています
本棚に追加
/448ページ
「それはお前が知らないだけだ。
これまでそういったものを知る機会が無かったのだろう。
だが、知らないという事は無いという事と同意ではない。
それは確かに存在するんだ。」
「こいつらがそれを教えるとでも言うのか。
こいつらは俺を恐れているだけだ。
俺の復讐を恐れて許しを乞うているにすぎん。」
「それは……」
「それは違う!」
「それは違うわ!」
エレンは思わず口ごもった。
違うとは言い切れ無かったのだ。
二人の事は高く評価していたが、内心そういう打算があってもおかしくなかった。
だが、二人ははっきりと否定した。
「俺達は自分の罪を自覚している。そこから逃げるつもりはない。」
「罰は甘んじて受けるつもりよ。」
その表情には強い覚悟が伺えた。
「だだ、それで終わりにしたくないんだ。」
「もう一度最初からやり直したいの。」
「本当の家族になりたいんだ。」
二人は必死に思いの丈をぶつけていた。
最初のコメントを投稿しよう!