第一章 始まりの日

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執事が魔力計を赤ん坊の腕につなげた。 本来ならつなげると同時に数値が変わりだして魔力量が表示される筈なのだが、このとき魔力計は何の変化も見せなかった。 「どういうことだ、壊れているではないか。すぐに代わりを持ってこい。」 フレアがそう命じると、すぐに代わりが用意されたが、魔力計にはなんの変化も無かった。 「どういう事だ、なぜこんな出来損ないが生まれたのだ。」 フレアの怒声が部屋に響いた。 その様子を見ていたユリアも、 「このようなもの、私達の子ではありませんわ。」 そう吐き捨てた。 「このようなものはいらん、すぐに処分しろ。」 執事に命じたが、 「しかし、子供が産まれたことは、既に他家の方々に知られております。その様なことをしては、当家の恥を世間に吹聴するようなものです。」 「ええい、ならばある程度までは育ててやる。それから家出した事にして捨ててしまえ。」 「承知しました。」
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