雨に打たれて

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「おぬしら何を怒っておる?」 部屋に入り、ピリピリした空気の中に言葉を挿す。 「あいつが悪ぃんだよ!!」 「落ち着け」 元親が怒鳴り、幸村が抑える。 彼の言う“あいつ”が誰かは判らない。 今、自分が持っている情報に時間の前後が無ければ…。 「Zionか?」 うっすらと聞いた話だが…。 彼等の顔色を見ていれば、それが正しいかどうかなど、すぐに判った。 「…あぁ、そうだよ」 憤怒している元親に替わり、佐助が答えた。 「何を言われたか知らぬが、少し怒り過ぎではないか?」 アンタは話を聞いて無ぇから、んなこと言えんだろ! 噛み付く様に言って、そのまま彼は部屋を飛び出して行った。 「おい、元親…」 「放っておけ。頭を冷やすのも必要だ」 後を追おうとした幸村を引き留め、自分は部屋に戻った。
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