UNKNOWN DAY

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 深夜の住宅街は所々に明かりがついていた。  十二時を過ぎても、まだ起きている人間は多い。だれかに見られるかもしれない。  そうは思ったが、引き返すわけには行かなかった。  それに他の日でも起きている人間は起きている。寝ている人間は寝ている。  つまり、今と状況は何も変わらないのだ。  それゆえに自然に行動することが重要になる。だれが見ても不自然ではないように。だれの記憶にも残らないように。  目的の家の前に着いた。この家は他の家よりも二周りほど大きく、庭の面積も広い。  明らかにお金をもっていそうな家だ。  だが、今回の目的はお金ではない。いや、それとは少し違う。  正確には目的は金なのだが、盗もうとしているのは金ではない。情報だ。  それも、一つの世界の勢力図を変えるほどの力を持ったかなり重要な。
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