UNKNOWN DAY

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静かに、自然に歩き、玄関にたどり着いた。  この玄関の鍵は持っている。これを手に入れるために何ヶ月も、好きでもない女と付き合い続けたのだ。 玄関の鍵を開け、ドアが閉まる音さえもさせないように家の中に入った。 靴は背中に背負っていたリュックサックに入れた。この中に盗んだものも入れるつもりだ。   盗むべき物の場所もわかっている。  ここから右手に見える部屋。そこにはリビングとキッチンがあった。その部屋のタンスの奥にわかりにくいように隠されている。これも付き合い続けた成果だった。  そのタンスの奥を調べた。そこにはアルバムがあった。この中にはいろいろな写真や、それに関するメモなど、一般人でさえもその価値がわかるようなとんでもない情報がたくさん入っている。  そのアルバムを取り出し、もともと何も無かったかのように戻す。    取り出したアルバムはリュックに入れた。さて、後はここから出るだけだ。  そのとき、外から足音が聞こえてきた。そして玄関の扉が開く音、閉じる音がした。 誰か帰ってきた?
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