UNKNOWN DAY

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まずい。誰かがこの家に入ってきた。 もしかしたら同業者かもしれない。そう思った後声が聞こえた。 「だれかいないのか?」  この声の持ち主を知っている。この家の主人が帰ってきたのだ。  今日は帰ってこないはずじゃなかったのか?    今いる場所だと、この部屋に入って来たらすぐに見つかってしまう。  とりあえずキッチンの奥に隠れておくことにした。  四つんばいにして、両手、両足が何かの拍子に音を立てないように移動する。  音を立てると、簡単に見つかってしまうからだ。音を消して、ゆっくり移動する。  もうすぐ、キッチンの陰に隠れることができそうだ。そう思った矢先に背後から金属音がした。  リュックに入れたアルバムが近くの棚に置かれていた金属製の何かに当たり、落としたのだ。 「誰かいるのか?」 背後からこの家の主人の声がした。  もう音が出ることなど気にせずに、一気にキッチンの奥に走った。    物陰に隠れた瞬間、この部屋の入り口が開いた。間一髪、この家の主人には見つからずにすんだようだ。 「美恵子か?」  相手も少し怖がっているのかゆっくりと、確実に回りを確認できるような速度でこちらに向かってくる。  そのとき急に頭に衝撃が走った。目の前がかすむ。ああ、もうおしまいか。    目の前が真っ白になった。
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