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真夜中、暗い夜道。標的は数メートル先に対峙してる。街灯は無く顔は見えない月明かりではそこまで明るくならない。だが当てる自信はあった。小さい時からこの世界にいたのだから…。
「…」
銃を構え直し当てる姿勢に入る。相手も動き出す。相手も構えたのも暗いながらも分かる。
「終わりだ」
そう言った時だった、
「はははは、はは…」
急に相手は笑い出した。
"気でも狂ったか…?"
そう思った時、聞いたことのある声に思考が本の一瞬止まった
…パッァン!
銃声が響く、弾が腹を掠める。
パッァン!
相手が次弾を撃つ前にこちらが当てる。
…バサッ
相手が倒れる…。本来なら有り得ないが相手に近付き顔を確認する。
…
親友…。この世界にそんなものがいるのかどうか、だが物心ついた時から一緒にいた。
最近裏切ったという話は聞いていた。まさかその役回りが来るとは思っていなかったが、
「組織なら有り得るか…」
そう独白してると親友の口が動いた。
「………」
声はでない。だが言ってる事は解る。
“泣いてくれるのか?”
言ってることが理解できない…。俺が?感情を無くせと叩き込まれた俺が?
パッァン…!
銃声が響く…。朝陽が出てきた薄暗い街の中…
冷い手で頬に触れる、涙の痕が残っていた…。
銃口の先にEND
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