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田所美香は扉の前に立ち、半透明なガラスのドアを開こうとした。
ドアには鍵が掛けられているらしく、引いても押してもびくともしない。
(桐山の奴…、人を呼び出しといて、これかよっ。)
一言文句を言ってやろうと鞄から携帯を取り出そうとした時、ふと目に入ってきた。
半透明なドアの右横にインターホンがある。
会員制の喫茶店?
まぁ、あの桐山が指定してくる場所だ。
¨普通¨の場所ではないのだろう。
今から会う相手に電話するのも邪魔くさい。
きっとインターホンを鳴らせば、ドアが開くシステムだ。
多少のめんどくささを感じながらも、美香はインターホンのボタンを押した。
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