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女性は、いかにもふてぶてしいオーラを放ち美香にお冷やを差し出し無言で突っ立っている。 「どうも…。」 美香が何か返答を期待しながら軽くお礼を言うも、女性は威圧感たっぷりに無言なまま。 全く可愛げがない。 年の頃なら、25、6といったところか、 白いブラウスと黒のタイトスカートを、弛みきった脂肪に鞭を打ちながら何とか着用しました的な肉体に加えてこの愛想の無さに、何かしら小汚いものを感じ、同じ女としてどうなのだろうと美香は軽く軽蔑した。 しかし、いくら軽蔑の眼差しで相手を見つめても沈黙は続く。 (そのまま、目線をそらしてお冷や飲んでしまおうか…。) 突然に現れた、訳のわからない従業員らしき女性と睨めっこしても何のプラスにもならない。 あまりのふてぶてしさに、文句の1つでも言ってやりたいが、美香はゲームをしていない。 きっと、それはお客として扱ってもらえない事を意味している。 そこで美香がクレーマーなんかに変身するのは、お門違いな話しになる。 (桐山が来るまでおとなしくしとくかな…) 美香は見つめ合うのを諦めて、目の前にいる女性から目線を外した。 そして、手持ち無沙汰を補う為に煙草を吸おうとした時だ。 ふてぶてしい態度とは対照的な、頼りなく小さい声が聞こえてきた。
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