無題

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「好き」 「五月蠅い」 「愛してる」 「喧しい」 * * * 今、其の黒髪に触れたら (きっと手を弾くだろう) 今、其の頬に手を添えこちらを向かせたら (きっと嫌な顔をして見るだろう) 今、其の唇に接吻けたら (全力で、抵抗為るんだろう) 今、今、今 今此の場所で其の御奇麗な事ばかりを口に為るそれを塞いで 白く細い手首を床に押し付け、 肢体に跨がり、 汚い言葉を吐き掛け、罵り、傷付け、凌辱したならば、 愛しい貴方は壊れて終うのだろうか。 「奇麗な、ひと」 「…‥からかうのも程々にしたらどうだ、童が。」 「アンタはどうしたら俺のモノに成って呉れるんですかねィ‥?」 「愚問だな、俺は誰のモノにも成ってやるつもりは無い」 「ははっ‥本当、御奇麗なひとですねィ。」 * * * 何時か、何時か 此の欲求が満たされる時が来るならば (それはきっと、このひとのこころがおれてしまったときだろう)
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