壱話:流れ少年との遭遇

2/2
前へ
/6ページ
次へ
「ん・・・うん・・・」 呟かれた言葉は無意識で、とくにだれに訴えるものというほどのものでもない。ただ、彼がいる場所に問題があるだけで他にはとくにないのだ。 仮に先程のような呟きを何度も発したとしても。 つまり彼は寝ているだけなのだから。 しかし寝ているからといって決して気持ち良いとは個人差あれど言えないだろう。人間は眠りについたときくらいは気持ち良くしていたいものだが、唸りながら眠っていたのであればそうとは言えない。 「ん・・・・・・うん?・・・・・ 」 唸りながら眠りについていた彼は目を覚ました。 「・・・・・・」 しかし彼は目を覚ましても動こうとはしなかった。動き方を忘れてしまったかのように、ただその場所にいた。 それから10分ぐらいは何の動く気配すらもなかった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加