Mysterious Impression

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郁人は目をゆっくりと開けた。 青いタヌキの目覚まし時計が鳴り響いている。 それを止めてベッドからゆっくり起きた。 郁人は眠くはなかった。 むしろ目は覚めすぎていた。 今日から学校に行けると思うと嬉しくてたまらなかった。 時計は7時の10分前を示していた。郁人はまずトイレに向かう。 そして顔を洗いに洗面所へ。 いつも冷たく感じる水は今日は心なしか温かく感じる。 朝食の前に制服に着替えることにした。 初めて自分で着る制服。 制服を買うときや昨日はどう着るか分からなかったので母にきせてもらった。 自分で着たことで今日は一段と特別な気がした。 ブレザーをシャツの上に羽織る。 ブレザーには名前が刺繍してある。 郁人は自分が小学生になったことを実感した。 着替え終わってテーブルを見るとまだご飯が出来てないようだったので、郁人はランドセルの中の確認をした。 持ってくるものをメモしたのを見ながらかばんを確認する。 すると父が、 「今日から給食があるらしいから、マスクを忘れないようにな。」 と何気ない様子で言った。 郁人はそのことは知らなかったので、「ありがとう、お父さん。」と言って引き出しからマスクを取り出した。 マスクを入れて準備を済ますと郁人の母がご飯を持ってきた。 郁人はそれをみてテーブルについた。 ご飯を食べていると、郁人の母が、 「今日提出するプリントをお母さんが記入しておいたから、忘れないでね。」 と言って郁人に渡した。郁人はすぐにランドセルに入れた。
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