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郁人はランドセルにプリントを入れて戻ってくる。
ご飯の途中で入れに行ったので、そのまま食べ始めた。
食べ終わり、ちょうど7時20分くらいになったところで、もうすぐ学校に行く時刻になった。
最初の一週間は郁人のおばあちゃんが一緒に送ってくれるらしい。
歯磨きを終えると外に郁人のおばあちゃんが待っていた。
「おばあちゃん、もう少し待ってて。」そう言って郁人はランドセルを背負って取りに行く。
それは黄色い帽子だった。
一年生は二年生になるまでの一年間、この帽子をつける。
男子が野球帽みたいな感じで、女子が周り全体につばがついてる帽子だ。
いかにも一年生らしく見せるその帽子は、郁人にとって十分楽しさを持たせてくれた。
急いで帽子を取るが帽子の感触を確かめながら、ゆっくりと深く被る。
外で待っていたおばあちゃんのとこへ行くと、おばあちゃんの後ろには自転車があった。
どうやら帰りは、この自転車で帰るようだ。
おばあちゃんは自転車を押しはじめる。
郁人は一生懸命おばあちゃんについていった。
するとおばあちゃんが自転車を押してない方の手を差し出してきた。
郁人はその手を握る。
おばあちゃんはゆっくりと小学校までの道のりを目印も教えながら、説明し始めた。
郁人と郁人のおばあちゃんが校門に着いたのは8時ちょうどだった。
8時15分までに着かないといけないので、今日はセーフである。
「教室までは分かるね?じゃあおばあちゃんは帰るからね。楽しんでらっしゃい。」
「うん!」郁人はそう言って教室へと駆け出した。
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