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こう郁人たちが話している中で一は一人この輪に入って来なかった。
それをみて郁人は心なしか不安な気持ちきになった。
みんなで教科書を運び教室の後ろにあったテーブルに置いていく。
先生が教科書を配り始めると勉強が嫌と言っていた裕典や大河も嬉しそうに受けとった。
教科書を配り終えたところで、先生が「学校を巡ってみましょう。」と提案して、郁人たち一年生は学校を巡回することになった。
廊下に男子一列女子一列、計二列で並ぶ。まだ身長を測っていないので小さい順ではなく番号順で並ぶ。
並んで歩き始めるのを待っていると横から「ねぇ……」と郁人は呼ぶ声を聞いた。反応して呼ばれた方に郁人は顔を向けると、
「いくとくん、だよね?わたし、しずく。これからずっと同じクラスだからよろしくね。」
番号順だったため、郁人の横は滴だった。郁人は笑顔で、「うん、よろしくね、しずくちゃん。」と返した。
すると滴の後ろから、
「いくとくんは、ここのようちえんでは見なかったけど、いつこっちに来たの?」
いきなり初対面の相手に聞かれた郁人は多少戸惑った。
「えっ!?あぁ、たしか……さいかちゃん?だよね?」
「うん、そうだよ!よく一日で覚えてるね!ゆうすけなんかようちえんで会って一週間くらい名前覚えてくれなかったのに……」
「はぁ?そんなことあるわけ……あれ?うーん?」
どうやらそんなことあったようだ。と郁人は察し、「一週間くらい前に○○市からきたよ、僕は。」とさっきの質問の返事をした。
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