67人が本棚に入れています
本棚に追加
廊下を歩きながら小さな声で郁人は後ろを歩く薫に尋ねる。
「ねぇ、ぼく以外のみんなは仲良しみたいだけど、どうして?」
「うーん。長くなるから後でってことでいいかな?」という返事に郁人は頷き、再び前を向いて歩く。
小さな学校なので見回るといっても、たいして時間がかからなかった。
一年生の郁人たちにとって、"ぱそこん"室や"かがくじっけん"室とかはわかるものではなかった。
2年から6年は楽しく授業を受けていた。
最後は体育館にやって来た。すると先生が、
「残りの時間は遊んでいいですよ。ただし次の時間に遅れないようにね。」
その言葉に郁人たちは嬉しくて、「はい!」と元気よく返事した。
そしてすぐに裕典が、「先生ー、外で遊んでもいいですか?」と聞く。先生は、
「いいわよ。ケガしないように気をつけるのよ。」と笑顔で答える。
裕典は男子に話しかける。「外でサッカーしない!?」
その誘いに、5人の男子は元気よく頷いていっせいに靴箱へと走りだした。
「私たちもおそとで遊ぼう!」と女子全員にいう。
そして、それに賛成した女子は、早足で靴箱に向かった。
郁人が靴をはきかえて外に出ると、裕典が既にサッカーボールを持って待っていた。
みんな靴をはいて校庭の中央にかたまる。そして、大河が話す。
「チーム分けどうする?」すると薫が、
「おれはキーパーやるから、4人でじゃんけんして。」というとゴールへと向かっていった。
最初のコメントを投稿しよう!