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「私は丸石だよ。これからよろしくな、郁人。」
「えっ……?これから丸石先生と何かあるの?」
「いやそういうことじゃなくて、また会ったら"こんにちは"って挨拶してねってこと。」と丸石は付け加える。
「うん、丸石先生よろしくね!」郁人は笑顔で答えた。それを見て丸石も顔の筋肉が緩む。
「おい、お前たち!そろそろ戻らないとチャイムが鳴るぞ!」と郁人たちに促したが、その顔は怒ってない、むしろ、笑顔だ。
「先生に言われたらしょうがないな。みんな戻ろう。」と薫がみんなに言う。
「そうだな!じゃあ俺達戻るね、先生!」と裕典が言う。
「じゃあねー、先生!」と大河が手を振りながら歩き出した。郁人もそれにつられて先生に向かって手を振る。
「郁人も一もまた来ていいからな!」と先生が大声で言う。その言葉に「「うん!」」と二人で返した。
5人は手を振り終わると、走って玄関へと向かう。みんな、急いで、運動靴から上履きへとはきかえた。
「あの先生優しいね。」と郁人が話した。すると、薫は、
「怒ったときはめちゃくちゃこわいけどね。」と少しため息混じりにしゃべる。
「怒ったときは、まるでおにだもん、先生。」と裕典が小さな声で言う。
「ふーん。じゃあ気をつけないとね。怒らせないように。」と郁人は言った。けど、郁人の頭にはそんな様子は思い浮かばなかった。
郁人たちは廊下を歩いていき、自分たち一年生の教室へと入っていった。
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