Mysterious Impression

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郁人は困った。今日始めて歩いてきたので、どこらへんにあるのかは説明しにくい。 幸い、目立つ大きな廃工場が近くにあったので、それを手がかりに、「あっちの方だよ。」と指で方向を示した。 すると、薫は「じゃあ帰る方向は少しちがうな。」と郁人に言う。ちょうど校門を出てみんな左へ曲がる。 そこで今度は大河が、「今度だれかの家に遊びに行こう。」と言った。そのセリフに男子は全員頷いた。 十字路が見えた。ここで郁人が右、他が真っすぐ進む。「じゃあ僕はこっちね。」と言って郁人は曲がった。 「ああ、また明日な。」といって手を振る。他の男子も「じゃあな!」、「バイバイ!」、「さよなら!」と言って大きく手を振った。 気がつくと女子のグループもみな郁人に「「じゃあねー!」」とバイバイしていた。 そして、舞花と彩香が近づいてきて、「わたしたちも同じ方向だから、一緒に帰ろう!」と言って、二人は郁人を挟むようにして並んで歩く。 郁人はためらいもなく、「うん!いいよ!」と言って、3人でそれぞれが分かれて帰るまでたわいもない話をし続けた。 彩香と舞花と分かれたあと、郁人は2分くらいで家に到着した。靴をパッと脱いで、家の中へ入る。自分の部屋にランドセルをそっと置く。 そして2段ベットの自分の段、上段へと郁人は小さなはしごで上った。 今日は楽しかった。そう思えた。これから毎日こう楽しい日々が続くのはいいなと思った。 遊び疲れた郁人はそのままベットの上で寝た。
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