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校長先生やら来賓の人達やら壇上に立ってしゃべる。
けど、言っていることが難しくて郁人には分からない。
ただ「入学おめでとうございます」と言われたらしっかりと反応してお礼を返す。
それだけはちゃんとした。
ただ途中で立つときに横を向くと、先ほどの女の子が立ち遅れていた。
ただぼーっとしていただけだろう。郁人はあまり気にしなかった。
入学式が終わって、担任の先生に連れられてこれから一年間使う教室に行く。
「ながい いくと」と書かれた名札が貼ってある机に郁人は座る。
他の人も同じように。
先生が教卓の前に立った。
郁人は自分がようやく小学校に入学したのを実感した。
「ではあらためまして、君たち一年生にこれから一年間授業を教える岩井 朋子です。よろしくね」
と言って、岩井先生は黒板に平仮名で"いわい ともこ"と書いた。
先生がよろしくね、と言ったあと、みんなも「よろしくおねがいします!」と元気よく言った。
「君達は晴れてこの小学校に入学しました。これからは……」
先生がこれからのことを話したり、
明日出さないといけない大切なプリントを配ったりしていた。
そして自己紹介が始まる。郁人は4番目に自己紹介だった。
人数が10人と少ないので、"な"でも4番目に回ってくる。
幼稚園の頃はかなり大人数だったので郁人は順番が早く回ってくるとは思わなかった。
先生がおんどをとる。
「じゃあ名前を言ったあとは、好きなものとかこれから頑張りたいと思うことを言ってください」
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