一章 色珠

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午前9時半、京一はバイト先であるコンビニでの夜勤を終えて狭い部屋に帰ってきた。 昨日の“ラエ”での失態を思い出して心がチクリと傷む。 そしてアオイに悪い印象を与えていないかと不安になる。 しかし冷静に考えると京一はほとんどアオイと話していないのだから悪い印象等与えているわけがない。 アオイにすれば何の印象もないだろう。 いつもの客が来てただ帰っただけの事だ。 それが、またつらい。 悪い印象でも何でもアオイの心に残った方がまだマシだったような気がしてくる。 今日もあまり眠れそうにない。 京一はベッドに寝転ぶとケータイをいじり始めた。 恋占いのサイトを見ては自分の血液型を入力し以前聞いたアオイの血液型を、入力する。 京一はそれで出た結果に一喜一憂すると言う全く意味のない時間をダラダラと過ごす。 血液型の他に京一とアオイの星座を入力して占うサイトにも入ったりしてみる。 京一は不毛なネットサーフィンを続けていた。 ・
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