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そこは深い深い底の世界だった。
闇に淀んだ海原の上、奇っ怪な城が浮かんでいる。
外見は常に動き続け、塔が増えたり動いたり、窓が増えたり動いたり、数年に一度クシャミをして住人を吐き出したりと、
とにかく奇っ怪な、【生きてる】城だった。
その体内、いや城内、
チョコレート色の廊下、血よりも濃い深紅に金縁の絨毯、
両端には等間隔にギョロギョロ目玉を動かしたり、【頭】を落とした事にも気付かず居眠りをする甲冑、
その鼻ちょうちんに写るのは蠢く花瓶に生けられたら草花。その花の中央には何故か口があり、ガチガチガチガチと…
どうやらお腹がすいているらしい。
そんな混沌とした城内の日常の光景、
その瞬間を終わらせたのはその城の主たる神々の一人と
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!
もう知らん!?出ていけ!!この恩知らずがぁあ゛あ゛あ゛!!!!」
「ちょ(笑)
んなバカちんが☆笑笑」
怒声と共に開け放たれた扉から飛び出す笑顔の【生首】だった。
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