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モンスターあり魔法☆剣☆下克上ありありな世界になんのオプションもなしでいったらプチッと殺されちゃう!?
僕は僕の言語能力全てを駆使し、ろりっ子にチート能力の大切さを3時間語った。
「おまけはキライです」
3時間がおまけ嫌いに潰された。
「それにあなたの言うちーと能力は…不潔です」
「パンチラは不潔じゃない。――神秘だ!!!!」
僕の男らしい発言に神の視線は絶対零度。
「カウントを始めます。すりー、つー、わん、ぜ」
「ごめんなさぁあぁぁぁ――い!!!!送らないでぇぇ!!!!」
僕は全力で土下座した。
「で何とかならないでしょうか。不潔ではなく真面目に」
そぅ生きる為に!!!!
「無理です」
「即答!?」
ろりっ子は無表情で説明した。
「管理不注意による事故、死亡は新たな世界に生まれて、生きることで償われました。もちろんこちらが全面的に悪いのでアフターケアとしていろいろさせてもらいました」
「いろいろ…とは?」
「事故死のショックによる精神崩壊を防ぐ為、記憶はそのままにある一定以上の恐怖や悲しみの感情を洗い流し、傷の痛みを全て消しました」
思い出してみる。
本当だ。
僕は…
自分の死をテレビのニュースで見た他人の死のようにしか受けとめていなかった。
「転生先の肉体にはその世界のあなたにもっとも近い種族の言語能力、重力の感じ方、反射神経、病原菌の予防、その他諸まで、あなたに近い種族のあらゆる平均とあなたの能力を照らし合わせ限りなく死ぬ前のあなたに近い生活が出来るようにしました」
神様の言う情報に頭が追いつかない。
いや、感情が追いつかない。
僕はうわごとの様に聞いた。
「…魔法は?」
「ありません」
ですよね。
僕は普通だった。
学校に通い、バイトをし、親と一緒に暮らし、彼女という存在を欲し、友達と遊び、そして…
ファンタジー漫画を読んでアニメを見ていいなぁと憧れ…
魔法なんて夢物語としてしか理解していない普通の男だ。
「そりゃ欲しがっても無理だわ」
ただの【僕】に魔法が使えないことは僕が一番分かってる。
だから神様に頼るのだが、お詫びに僕の望みが入り込む隙はないらしい。
でも、このまま転生しても絶対プチッと殺されちゃうだろうしなぁ…
僕と神様の長い沈黙が続き、終わりを告げたのは神様の方だった。
「そんなに欲しいのですか…その…ちーと能力が」
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