天使と会った日

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突然の乱入者に驚いた様子をみせる少女。 夜月は改めて聞く。 「大丈夫か?」 驚いた様子ながら少女は軽く頷いた。 「そっか、よかった」 夜月は少女を下ろす。 ケルベロスがこちらに向けて突進をしてきている。 「借りるよ!」 足下に落ちていた剣を拾って、構える。 (とはいっても、どうすりゃいいんだ!?) 運動神経はかなり高いが、剣なんて触ったことないものを扱うことができるほど夜月は器用ではない。 そのうえ、ケルベロスとの距離は数秒とたたずに縮まってしまう。 (ええい、なるようになれ!) 「うおぉぉぉ!」 右手をつきだしてケルベロスのあいた口に剣を突き入れる。 「ぐあぁぁ・・・・・・」 右手が焼けるように痛む。 ケルベロスの口に突き入れた時に噛みつかれたようだ。 握っていた剣はケルベロスの頭を貫通していた。 「やった・・・・・・か?」 安心しようとした瞬間 ケルベロスの前足が夜月を押し倒す。 「かはっ・・・・・・」 地面に押し倒された衝撃で息がつまる。 「な・・・・・・んで?」 そして、夜月の目とケルベロスの無傷の左の頭と目があった。 左の頭が夜月の肩に噛みつく。 「ぎゃあああぁぁぁ!!」 信じられない激痛に叫び声をあげる。 痛みで意識がとびそうになるのを必死に繋ぎ止めていたとき 不意に、ケルベロスが噛む力を緩めた。 瞬間、凄まじい水流がケルベロスに放たれた。 「な・・・・・・なんだぁ?」 情けない声を出して水流の出所を見てみると、 手を前につきだして立っている天使の少女を見つけた。 「今のは・・・・・・魔法?」
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