12329人が本棚に入れています
本棚に追加
/480ページ
「大丈夫か?」
翼がある男がフィンに声をかける。
フィンがそちらを振り向く。
男が倒れている夜月に近づく。
「テレパスである程度は聞いたが、こいつがお前が決めた候補か?」
フィンが頷く。
「ならいいんだが、倒れる前に説明してやったのか?」
力なく首を振る。
「おいおい、大丈夫かそれで」
もう一度首を振り、肩をすくめる。
「ったく、それで俺にどうしろと?」
フィンはゆっくり自分の手を見せる。
いままで軽薄な笑みを浮かべてた男も急に真剣な顔になる。
「そういう・・・・・・ことか」
フィンが頷く。
「わかった、こいつのことはまかせろ、もちろんお前のことも」
フィンは笑って、光に包まれた。
残されたのは男と夜月、そして夜月の胸の上に置かれた水晶だけであった。
最初のコメントを投稿しよう!