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■81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 23:03:50.09 ID:S7vh2Vh7O
撮影は昼まで続いた。
これも生活する為と思えば苦にはならなかったが、
やはり長時間の撮影は体力的にも精神的にも疲れるものだ。
カメラマン「お疲れ様~。」
ゼルダ「お疲れ様でした。」
日も高くなってようやく仕事は終わった。
彼女は安っぽいボロ布を背中に羽織り城下町へ向かって歩いた。
そして昼食をとる為に小さな店に入っていった。
■85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 23:16:05.28 ID:S7vh2Vh7O
ピアノソロによる渋いジャズがジュークボックスから流れている。
彼女はランチタイムの安さに魅かれて毎日のように昼はこのバーで食事をしている。
それに真昼よりは少し遅いこの時間帯は客も少なく、
自分に絡んでくる人があまりいないため気楽に食事が出来るのだ。
彼女はいつものようにカウンターに腰掛けた。
ゼルダ「マスター、いつものランチお願いします。」
マスター「はいよ。」
彼女の為に既に用意されていたかのようにすぐにパンとサラダの定食が出てきた。
彼女は上品な手付きでそれを食べている。
流石に一流役者であっただけはあり、食事という当たり前の行為でさえそつ無く美しい。
86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 23:17:39.76 ID:Un2olJ0OO
ナビィと旅したいよぉ
■95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 23:29:56.06 ID:S7vh2Vh7O
昼食が終わり、カウンターでぐったりしているとふとマスターがこちらを振り向いた。
マスター「お嬢さん今日はすっかり疲れてますね。」
ゼルダ「なんでわかるんですか?」
マスター「そりゃ毎日見てりゃわかります。
無理するのは良くない、疲れたら休むのも一つの手です。
決して悪い事じゃありません。」
ゼルダ「ありがとうございます。けど生計を立てる為仕方ない事なんです。」
マスター「付かぬ事をお聞きするようで悪いのですが貴方は独身ですか…?」
ゼルダは少し間を置いて返事した。
ゼルダ「はい。」
素直に「はい」と言ったもののあたしは少し恥ずかしかった。
マスター「それはそれは…。お疲れ様です。
今の時代に女一人で頑張ってる人なんてそうはいません。
私は貴方を応援します。」
ゼルダ「ありがとうございます。」
あたしは頭を下げて感謝した。
こんなあたしを未だに応援してくれてるのは彼しか居ないのかもしれない。
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