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■52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 20:49:39.69 ID:S7vh2Vh7O
―親愛なるマロンへ。
君と最後に会った日からもうすぐ二年。
だいぶ寒くなって来たけど元気にしてたかい。僕は元気にしているよ。
突然ですまないけど、君に会いたいんだ。
君が牧場の後取りとして忙しいのは分かってる、だから君の都合の良い日で構わない。
良い日が決まったら連絡してくれ。
城下町で良い店を見つけたからディナーでも一緒にどうかと思ってね。
それにゆっくり話もしたい。
完全に僕のわがままかもしれないけど、君の返事を待ってる。
リンク―
■53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 20:55:03.19 ID:S7vh2Vh7O
彼女はしばらく手紙を見つめていた。
何より彼の唐突な頼み事に驚きを隠せないでいた。
彼に久し振りに会えるのは嬉しい。
けれどそれなら何故直接牧場に来てくれないの。
それに、突然居なくなった理由は書いてないし…。
彼女は大きな喜びと不安を抱えながら机に向かった。
リンク変わって無かったらいいな。
今更会うのもちょっぴり恥ずかしいけど、
昔みたいに優しくて誠実な彼のままだったらあたしは幸せだな。
彼女は様々な想いを巡らせながら、複雑かつ慎重な気持ちで返事を書いていた。
こんな夜は初めてだ。
54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 21:03:14.69 ID:8JXCtT/40
鬱いや・・・
欝はいや・・・
■55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 21:15:43.69 ID:S7vh2Vh7O
その頃リンクはようやくコキリの森にある家に着いた。
リンク「ただいま。」
サリヤ「おかえり。」
そこには綺麗な翡翠色の髪の女性が机に料理を並べて待っていた。
彼女はサリア、リンクの幼馴染みでありここ二年は同棲生活を送っている。
結婚の事を考えた事もあったが、
リンクが思い止どまった為その話は無かった事になっている。
サリア「今日は遅かったね。」
リンク「ごめんね。仕事長引いちゃってさ。」
彼はそう言いながら席に着いた。
サリア「うん…。」
サリアはうつむいたまま動かない。それに何を言っても生返事しか返ってこない。
リンク「ごめんごめん。君の為にもっと頑張るからさ。」
サリア「そうじゃないの…。」
彼女はサッと顔を上げてリンクの目を見つめた。
机を挟んだ二人の間にギクシャクした時間が流れる。
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