前編

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■56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 21:23:55.67 ID:S7vh2Vh7O サリア「リンクが頑張ってるのは良く分かってる。でもリンクが遅くなるとあたし不安で…。」 リンク「大丈夫、僕は君だけのものさ。約束しただろ。」 彼は自身に充ち満ちた声で答えた。 サリア「けど…。」 リンク「ほら、これを見てごらん。」 リンクは懐から綺麗な花を差し出した。 サリア「これは?」 リンク「遅くなってしまったお詫びだよ。     君が喜ぶと思って帰り道のハイラル平原で採ってきたんだ。」 サリア「リンク…。」 リンク「元気だして、君に暗い顔は似合わないよ。」 リンクは彼女の手に花を持たせて頭を撫でた。 サリア「えへ、ありがと。」 彼女は嬉しそうにはにかんだ。 どんなに不安になってもどんなに暗い世界にいても、 彼はいつもあたしをすくい上げてくれる。 そんな彼が好きで好きで仕方ない。 ■58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 21:34:46.24 ID:S7vh2Vh7O 食事を済ませた二人は布団の上で深く抱き締め合っている。 リンク「寒い季節も、君となら大丈夫さ。」 サリア「うん。」 サリアはなんとも嬉しそうに目を細めてうなずいた。 リンク「君は何より暖かい。愛してる、サリア。」 サリア「あたしも。」 二人の柔らかい唇が重なる。 決して離れようとせず、鼻で小さく息をして長い長い口付けをした。 気がついたら二人は眠っていた。 こんな無垢なままの関係がいつまでも続くのなら、それはきっとドラマなのだろう。 理想は理想でしかない。 それでもサリアはリンクを何よりも信じているのだ。 ■62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2008/11/12(水) 21:47:41.71 ID:S7vh2Vh7O コッケコー!鶏の声がハイラルに響き渡り朝が来た。 サリア「ふわぁ…おはよ。…あれ?」 リンクが居ないわ。何処に? そう思いながら朝食を作っていると彼が帰って来た。 リンク「起きてたのか。おはよ。」 サリア「おはよ。何処行ってたの?」 リンク「朝の散歩さ、やっぱしこの森の空気は最高だよ。」 サリア「あたしも誘ってよ馬鹿ぁ…。」 リンク「ごめんね、明日の朝は一緒に行こうよ。」 サリア「うん。」 そんな話をしながら二人は朝食を食べ終えた。 リンク「それじゃ、仕事行って来るね。」 サリア「頑張ってね。」 リンクはエポナに跨り寒い朝の霧を引き裂き、ハイラルを駆けて行った。
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