第壱話 白キ獅子ト緋ノ娘

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ピシィッ、パキィッ・・・ 何かがひび割れる様な音がした。と、次の瞬間、 バキャアァッ、ガッシャーン!! と、物凄い音をたてて鈴と獄聯を覆う氷が砕け散った。 「ごぉるぅらぁぁぁぁぁ~!!冬牙ァ、何しやがる!!」 「この私に何て事を!殺されたいの!?」 「鈴、僕は聯を凍らせただけだよ。鈴を凍らすつもりはなかったんだ。本当にごめん」 「ふぅ~~ん?本当かしらねぇ・・・?」 非常に据わった眼で冬牙を見下ろす鈴。一方の冬牙は本気で泣きそうな顔で無罪を訴え続けている。そして獄聯は、そんな冬牙に攻撃をし、再び氷漬けになっていた。 そんな三人を見ながら、完全に蚊帳の外な二人は、 「・・・賑やか・・・。楽しそう・・・・・・」 「そうか」 いつものことだからか、大して気にも留めている様子もなかった。
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