第壱話 白キ獅子ト緋ノ娘

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「あら、蒼羅~♥」 冬牙を再起不能な状態にし、とても晴れやかな表情をした鈴が、ようやく蒼羅に気付き、先程までの雄々しい・・・否、自分の中の男を遺憾無く発揮していた様子と比べると、本物の女よりかなり女らしい様子になった。 「寂しかったのよ~。私を独りにしないで~」 正直かなりうざったい口調で蒼羅に抱き着こうと試みる。が、 「暑苦しい。煩い」 と言われ引き剥がされる。正に効果音には“ベリベリッ”と付けるのが丁度いい感じであった。 「あぁん、そんなに照れなくたっていいじゃない」 「気色悪い。離れろ」 と、まぁ、こんな感じで今度は蒼羅と鈴の攻防が始まった。 「・・・あ、鳥・・・」 だが、炎樹はそんな周囲の状況よりも、鳥が気になって仕方がなかった様だったが。 取り敢えずそんなこんなで時は過ぎ―――――― 「さて、と。もうこんな時間か。俺達も寝るぞ」 「・・・ん」 周囲で気絶している三人(但し鈴は幸せそうな顔で血を吐いている)を見ることもなく、蒼羅と炎樹は適当な場所で眠りについた。
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