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「あら、蒼羅~♥」
冬牙を再起不能な状態にし、とても晴れやかな表情をした鈴が、ようやく蒼羅に気付き、先程までの雄々しい・・・否、自分の中の男を遺憾無く発揮していた様子と比べると、本物の女よりかなり女らしい様子になった。
「寂しかったのよ~。私を独りにしないで~」
正直かなりうざったい口調で蒼羅に抱き着こうと試みる。が、
「暑苦しい。煩い」
と言われ引き剥がされる。正に効果音には“ベリベリッ”と付けるのが丁度いい感じであった。
「あぁん、そんなに照れなくたっていいじゃない」
「気色悪い。離れろ」
と、まぁ、こんな感じで今度は蒼羅と鈴の攻防が始まった。
「・・・あ、鳥・・・」
だが、炎樹はそんな周囲の状況よりも、鳥が気になって仕方がなかった様だったが。
取り敢えずそんなこんなで時は過ぎ――――――
「さて、と。もうこんな時間か。俺達も寝るぞ」
「・・・ん」
周囲で気絶している三人(但し鈴は幸せそうな顔で血を吐いている)を見ることもなく、蒼羅と炎樹は適当な場所で眠りについた。
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