第壱話 白キ獅子ト緋ノ娘

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五人は街道を走っていた。走っていた、と言ってもその速さは尋常ではない。 恐らく馬が全力疾走をするよりも速いであろうと思われる。 ふと、突然冬牙が何かに気が付いたような仕草をし、速度を上げると蒼羅と並走し、何事かを耳打ちした。 それに対し、蒼羅は一瞬考える様に視線を落とすと、すぐさま前に向き直り、後ろの四人に指示をだす。 「“緋月の仔”がこの先に居る。同時に異形たちも現れているそうだ。・・・目的は一つ。“緋月の仔”の救出のみ。後は異形も人間も関係無い。邪魔なら殺しても構わない」 「「「「了解」」」」 四人の声は、何処か面白そうな響きを伴っていた。
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