第壱話 白キ獅子ト緋ノ娘

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「なぁ、これからどうするんだ?」 その問いに対する答えはない。 その問いを発したのは少年だった。だが目を閉じているせいなのか、それとも纏っている雰囲気のせいなのか、ただ少年と呼ぶのには少し躊躇わせるものがあった。 その場にはその少年を含めて四人がいる。 しばらく間を置いて、四人の中で最も大柄な人物が答えた。 「さぁなぁ・・・。アイツのしたいように、だろう」 「・・・それは、答えになっていない・・・と思う・・・」 大柄な人物の発した言葉に反応したのは大太刀を背負った、中々背の高くて痩身、しかし付くべきところには筋肉がついており、嫌な感じの無い男だ。 「あーら、暗いわねぇ。こんな暗い雰囲気、私大っっっ嫌いなのよ?ねぇ、皆もそう思わない?」 突如、その場に合わない妙に明るい女性の声が聞こえた。
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