第壱話 白キ獅子ト緋ノ娘

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「こーなる原因を作ったのはテメェだろーが!」 「吠えないの。獣みたいよ。あら、本当に獣だったわね。ごめんなさい」 「うるせ~~~~!!」 「「お前がな」」 「冬牙ぁ、炎樹ぅ、お前らは~」 「落ち着きなさいよ、獄聯。あ、私もそっちの二人に賛成ね🎵」 「鈴・・・鈴禰彦って連呼してやる!!」 どうやらこの四人は、少年が冬牙(トウガ)、大太刀を背負った青年が炎樹(エンジュ)、大柄な男が獄聯(ゴクレン)、女性・・・の様な姿をしているのが鈴こと鈴禰彦(スズネヒコ)らしい。 そして鈴・・・否、鈴禰彦は一瞬体を後ろに引くが、負けじと言い返した。 「なら、あなたが隠していること、ばらしちゃおうかしら?ふふふっ♥」 「うぐっ・・・そうくるか・・・」 「・・・似た者同士・・・」 これは炎樹である。 「五十歩百歩」 こちらは冬牙。 「・・・取り敢えず、ここが何処か・・・はっきりさせた方がいい・・・と思う・・・」 「うん。やっぱさ、鈴に頼った俺らが悪かったよ」 目の前で繰り広げられる低俗な言葉の応酬を見ながら、炎樹と冬牙が思った事を次々と口に出していく。と、冬牙が空気の流れが変化したことに気が付いた。
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