第壱話 白キ獅子ト緋ノ娘

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その男は長い白髪を無造作に束ねた、若い男だった。 その男が口を開いた。 「捜したぞ。前々から言ってあるはずだ、鈴に頼るな、と」 「あ、蒼羅!」 冬牙は先程までとは打って変わって、年相応の少年らしい雰囲気でその男の名を呼んだ。 「・・・本当に、来た・・・」 そんな少年とは違い、炎樹は大した変化が見られなかった。 「お前ら、今まで鈴に頼って良い事なんか一度もないことくらい、分かっているだろう」 「う・・・。だってさ、鈴が、『こっちから蒼羅の気配が!』なんて言って、先に行っちゃうんだ。どうすればよかったらのさ?」 「気絶させろ」 さらりとそう言ってのけた蒼羅に対し、今度は炎樹が反論する。 「・・・そんなことしたら・・・、殺される・・・・・・」 「では、今は何故氷漬けになっている」 「知ら、ない・・・冬牙に聞いて・・・」 「はぁ!?まぁ、あれは獄聯を狙ったものだったから良いんだよ」 そんな会話をしていると・・・
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