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その男は長い白髪を無造作に束ねた、若い男だった。
その男が口を開いた。
「捜したぞ。前々から言ってあるはずだ、鈴に頼るな、と」
「あ、蒼羅!」
冬牙は先程までとは打って変わって、年相応の少年らしい雰囲気でその男の名を呼んだ。
「・・・本当に、来た・・・」
そんな少年とは違い、炎樹は大した変化が見られなかった。
「お前ら、今まで鈴に頼って良い事なんか一度もないことくらい、分かっているだろう」
「う・・・。だってさ、鈴が、『こっちから蒼羅の気配が!』なんて言って、先に行っちゃうんだ。どうすればよかったらのさ?」
「気絶させろ」
さらりとそう言ってのけた蒼羅に対し、今度は炎樹が反論する。
「・・・そんなことしたら・・・、殺される・・・・・・」
「では、今は何故氷漬けになっている」
「知ら、ない・・・冬牙に聞いて・・・」
「はぁ!?まぁ、あれは獄聯を狙ったものだったから良いんだよ」
そんな会話をしていると・・・
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