柿ピー

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「あっ!」 声が出そうだった。 シンジはマンガを立ち読みに、このコンビニに寄ったのだった。 (ミ、ミ、ミキちゃんだ。どうしよう。どうする?しかもコスプレミキちゃんだよ) 「らっしゃいやせー」 ミキが声をかける直前に、シンジは陳列棚に顔を隠すようにして、雑誌棚に向かう。 マンガを開いたが、シンジにはストーリーを追わずに考えをめぐらせた。 (チャンスだ。店にはミキちゃんしかいない。メアドぐらい交換してくれるだろう。…よ、ようし。行くぞ!) 特攻隊シンジがミキのいるカウンターにツカツカと歩む。 買う気もなかったマンガをカウンターに置く。 「らっしゃいやせ」 ミキが美しい声を出しながらマンガを受け取る。 まだシンジの顔を見ない。 「200円になりまあす」 そう言いながらレジ袋を取り出している。 (今だ!) シンジが口をあける。
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