146人が本棚に入れています
本棚に追加
午後8時頃……
朱里は莉奈のスープラに乗って円香峠へと向かっていた。
「ねぇ莉奈。まだ着かないの?」
「まだ早いって。走り出して10分も経ってないよ。」
「けど待ち遠しいんだもん。」
「あーはいはい。分かったから急ぐって。」
そう言うとギアを落としアクセルを踏み込んだ。
結局普段円香峠まで40分かかる道を20分で走りきった二人だった。
「着いたけど、大丈夫?顔色悪いよ?」
「莉奈………速過ぎ……ちょっと止めて……」
「う、うん。わかった。」
そう言われて車を待避所に止めると、車から降り、深呼吸したあとに戻ってきた。
心なしか顔色が良くなった気がする。
「よし。もう平気だよ。」
「本当に大丈夫そうだね。それじゃあいくよ!」
そして二人を乗せたスープラは白煙とエキゾーストノートをその場に残し、猛然と加速しだした。
最初のコメントを投稿しよう!