早口言葉

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「あんなのキャラ作りのためにやってるだけの演技。早口なんて楽勝だよ」 ガバッ 「聖ちゃぁぁぁぁあ…ん?」 目を擦ると、見慣れた寝室が目に入る。 「教室は?聖ちゃんは?夢?」 ………いやいやいや!! あの後、俺は気絶したのかもしれない。 枕元に置いていた携帯を開くと、聖ちゃんに電話した。 プルルプルル… 「…………」 プルルプルル… 「……………」 プルルプルル…ガチャ 「もしもし!!聖ちゃん!?」 『…………死…ね』 ガチャン…プープープー… 一言だけ言うと切れた電話。 「よかったぁぁぁ!!聖ちゃんだぁぁあ!!」 安心した翔太は、朝までグッスリ睡眠。 夜中の2時26分に翔太から着信のあった聖矢は、睡眠を邪魔され、イライラ全開と思いきや。 ――――朝―― 「………あれ?…翔太…から着信?」 聖矢は携帯を片手に、眠そうに抱き枕を頬に引き寄せた。 あれは寝言だったようですね。はい。 寝言でも言葉が途切れる聖矢なら、演技なわけな「生麦生米生卵生麦生米生卵生麦生米生卵」 ………あっあれ? 今、誰が言ったの? 「……誰…だろね…?」 抱き枕から半分顔を出し、ニヤリと笑う聖矢君が居たとか居なかったとか。        end 
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