☆夢と始まり

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最近ずっと同じ夢を見る。 姿すら見えない暗闇から誰かが、か細い声で助けを呼び続ける… そんな夢。 「誰だ?何から助けてほしいんだよ!」 「助けて…」 何を聞いてもそいつは答えてくれない。 声色からして恐らく少女だろう。 「助けて…」 俺は闇雲に走る。 しかしどれだけ暗闇を走り回っても彼女は見つからない。 声だけが永遠にループしている。 「助けて…」 「クソッ…何なんだよ……」 疲れ果てた俺が思わずその場に座り込むとピチャッと嫌な感触がする。 そっと暗がりの中で自分の掌を見つめるとどす黒い赤に染まっていた――… .
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