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「……へえ。なかなかの能力ね」
バステートは、芽依美の放つ魔力を感じ取り、感心した。
「その娘の魔力も手に入れたって訳ね。でも……あたしがドリームランドで見たその娘を覚醒させた方が、今の状況を……」
「うるさい」
芽依美はバステートをひと睨みした。
バステートは一瞬呆けたような表情をすると、すぐに「ニャー」と鳴いた。
喉をゴロゴロと鳴らし、文亮に近づき、頭をこすりつけ始めた。
尻尾を固く固定していたボールペンがコロリと倒れた。
黒猫の尻尾には傷痕は無く、人を誘うようなごく自然な動きをしている。
「……おい。どーしちまったんだ?」
戸惑いながらも、黒猫の喉を撫でながら文亮が芽依美に尋ねた。
「女神には、彼女の住む世界にお帰りいただいたわ」
文亮はその一言で、全てを理解した。
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