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「えっと、じゃあクラスの出し物については、予定変更はないですね」
メガネの真面目そうな生徒が話をまとめていた。
「部活の出し物も決まっていますから、あとは……」
「会長、サッカー部とバスケ部が……」
髪を少しカラーリングした童顔の女子生徒がまとめを遮った。
「あっ、そうか。……予定変更は昨日までって言ったはずなんだけどなあ」
会長と呼ばれたメガネの生徒が腕組みをする。
「うーん。今日中に話をしに行くよ。それで……」
パンッ
怪奇現象のラップ音に似た音が生徒会室に響いた。
生徒会役員13人と顧問の先生2人が一斉にテーブルに突っ伏す。
「……で、博士はその後どうなったのかね」
ゆっくりと顔を上げたメガネの生徒会長は感情のない顔をしていた。
「……はい。クトゥルフの生け簀(いけす)に直接放り投げられましたから、もう、正気は残っていないかと」
童顔の女子生徒も同じような能面の如き顔を上げた。
「ここに来て、やっと博士を思い通りにすることが出来たか。ふん、時間はかかったが、まあ良い。……後はあの娘の覚醒だけか」
「はっ、そこは抜かりなく。宇宙での件で魔力に目覚めた様子です」
ジャージ姿の顧問が答えた。
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