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「ふん、娘を覚醒させるのに随分と手のこんだ事をしたようだね、来栖くん」
「僕じゃないですよ。わかっているはずですよね」
新しい田中では無い、小柄な男子生徒の姿の来栖がテーブルについていた。
「ニャルラトテップの計画、そう言いたいのかね」
メガネの生徒の目に、宇宙が映り込んだ。
「私を騙す事は出来ぬよ、来栖くん。君はニャルラトテップと契約を交わしたんだろうが、彼がこんな計画を立てる事はない。そう、これは君の独断だね」
来栖は脂汗を流した。
メガネ越しの宇宙に吸い込まれそうな感覚を覚えた。
「も、申し訳ありません」
「まあ、良い。結果的に巫女たる器が覚醒に近づいたのだからね」
男子生徒はメガネを中指で上げた。
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