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「話を聞いてない光が悪い」
「なにそれ、おーぼー」
「うるさい。で、何でまたベッドに潜りこんでんだよ。一人で寝ろ、って、いつも言ってるよな?あと離せ」
「一緒に寝たいから、って、いつも答えてるよね?それと離さない」
「……はぁ」
しょうがないなぁ、と、ぶつぶつ文句をいいながらも、なんだかんだ最終的には兄貴が折れて、俺の好きなようにさせてくれる。キスは流石に拒否られたけど。
「あ、そういえばさ」
「ん?」
「昔、ミツバチが俺達の回りを飛んで離れない事件があったじゃん?その時のこと覚えてる?」
「…なにそのネーミングセンスのない事件名。一応、覚えてるけど」
「えー。じゃあさ、あのあとどうなったの?俺、兄貴に泣きついてたことしか覚えてないんだけど」
「んー、たしか、光の頭の所に近づいてきたから、勢いで薙ぎはらったんだけど、そんとき刺されて病院に搬送された」
「えっ、刺されたの?!搬送?!」
「うん。あと、ミツバチじゃなくてスズメバチね。いやー、あの時は死ぬかと思ったよ」
「はあ?スズメバチ?!」
がばぁっと抱き締めていた体を離し起き上がる。
スズメバって何?!ミツバチじゃなかったの?え?は?と一人で混乱してたら兄貴もむくりと起き上がって、丁度犬の散歩をしてるおじさんが通りかかってくれてよかったよー。あはははー。と暢気に笑っている。
てかスズメバチってスズメバチって…
「次刺されたらヤバいじゃん!」
「んー、そうだけど、ハチに刺されるなんてそうそうないし、大丈夫だよ」
「そんなの分かんないじゃん!」
「ちょっ、ひかる、くすぐったいっ」
ぎゅーぐりぐりぐりーと抱きついて兄貴の首筋に自分の頭をおしつける。
今までは兄貴に近づく物は男と女しかマークしてなかった。
虫とか盲点だった。
だから決めた。
今日からは、兄貴に近づくありとあらゆる物を害敵とみなす。それがたとえノミであろうとも…!
「兄貴、俺から離れたらダメだからね。絶対」
「なにそれ無理でしょ」
END
オチがみつからない/(^O^)\
無口ワンコな光が書きたかったのに何故こうなった/(^O^)\
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