├其の壱

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ゆっくりと配置に戻り、再びクイズが始まる。 不正解者が次々と灼かれ、補充された。 いつ終わるのかわからない上、出題者の期限で正解者でも答えの遅かった者までが灼かれた。 不正解の恐怖はあるものの、他人が死ぬ事への感覚が麻痺しはじめていた時だった。 いつものように、全員が六角形の部屋に出て、掃除のオバサンが焦げを掃除していると、ドアが閉まった。 あれっ、と思っていると、ブンッ…という起動音。 「…あ、…ぁぁあ……」 動いた。掃除のオバサンが入ったまま。 解答者と違い、悲鳴はあまり無かった。 ヴゥ…ウン…。 パチッ、……パチバチバチ… だが逆に、それがかえって生々しい焼却音を際立たせた。 この音、あれだ。 チーン。 電子レンジだ。
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