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「いやぁああぁあああああああああ!!!っ……ぁぁあああああああああああああああああああ」
金髪女の泣き叫ぶ声。
内側の金属のドアを必死に叩く音。
いたたまれなくなる。嫌だ。これ以上ここにいたくない。怖い。
嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ、嫌だ…!
ヴーーン…。
高圧電源が入る音がした。
カラカラカラと何の音かは分からない小さな音もした。
「ぎゃああああああアあアアアアァアアぁアアアァあアアアァアあアあぁアあアあああァぁあ!!!!!」
まさに断末魔の叫びだった。耳をつん裂くような声。
さらに激しく、ダンダン、ガンガンとドアを殴るような音がした。
見える。彼女がどうなっているのか。
体中が、顔が、沸騰している。
内側から熱くなって膨張し、口から溶けた自身の肉を吐き出しながら叫んでいる。
手が、皮膚が、叩いたドアにへばり付き、引っかけば爪と指を残して肉のラインが引かれ、手の形はドロリ崩れてゆく…。
「グボ゙ォオあ゙あ゙、ああアアアぁア゙ァアアア゙アぁああ゙あ゙ぁ!!!」
無理、もう無理。嫌だ。耐えられない…。
そう思ったとたん、急に金髪男性の視点から離れた。
だんだん彼らが遠くなり、やがてテレビ画面の中に収まり、私は私に戻った。
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