├其の壱

4/13
10人が本棚に入れています
本棚に追加
/30ページ
すると、オバサンの小部屋だけ、解答するデスクの上から白い壁が降りてきた。 なるほど、一回間違えたら挑戦できなくなるシステムなんだ…と思っていると、 オバサンの声「…イヤ、あ、ぎゃああぁあぁぁああぁあーーっ!!」 ものすごい叫び声がした。 何事かと全員が視線を向けたが、尋常じゃないのが分かる。 中からドンドン、バンバンと狂ったようにドアを叩く音。 女性がこんなにも暴れられるものだろうか。 そういえば今気付いたけど、小部屋はエレベーターのような雰囲気だった。 揺れたりは一切しなかった。 シン、と静まる狭い密室。 ――チン、という音がして、遮断していた壁が上がり、更にエレベーターのドアのような扉が開いた。 と、ほのかな熱風が感じられ、中には…焦げが少し残っていた。 さっきまで穏やかに話していた、オバサンの残骸、だ。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!