ストーリー25

6/18
前へ
/682ページ
次へ
「何すんだよいきなり!?」 「それはこっちの台詞よ!まだ着替えてる途中なのに勝手に入って来ないで!💢」 「変態バカ」 「だからって容赦なく蹴飛ばすなよ!」 椎名は茜に蹴飛ばされたために少々キレていたが、茜はそれ以上にキレていた。陽はその事態を見かねたように椎名に向かってバカと言った。 「陽、悪いんだけど椎名あっちに連れて行ってくれない?」 「了解」 「なんでこうなるんだ~!?💦」 茜は陽に頼み、椎名を別の場所に連れて行かせた。茜はそのままスタッフに探しに向かった。そして時間が進み、リーザの森にある薔薇の館では歩が集まった他の殺し屋と共にマスター・ロゼットの話しを聞いていた。 「……っとまぁこんな感じだそうだ」 「相手は相当根が腐っていると判断しました」 「イカサマみたいな方法を使って相手の金を騙しとる、明らか詐欺のプロだな」 「私が持ち合わせていた情報とポーカーが集めた情報を調べるとかなり怪しいという訳だ」 マスター・ロゼットは手を交差させて円卓に肘を付き、集まった情報の結果を歩達に話した。歩は表情を1つも変えてはいなかったが、周りはかなり悩んでいる様子だった。 「……問題は今回のターゲットの所にエビルを1人で行かせて良いか、って事ですよね?」 不意にギアが手を挙げながらマスター・ロゼットに訪ねた。マスター・ロゼットは真剣な様子で首を縦に振った。 「今回はかなり危険を伴う可能性がある。何より相手は側近として厄介な炎属性の特異能力者がいる」 「たった1人で何人もの殺し屋を焼死させています。失態を犯した事は一度もないそうです」 「雷属性のエビルじゃ不利だよ!💦」 「やめといた方が良いんじゃないか?」 「いくら強くても相手との愛称が悪いんじゃな」 その場にいる全員が歩の身を案じ、行かせない方が良いという意見を言った。どうやら相手は歩の復讐すべき対象らしいが、その近くには特殊な炎属性の特異能力者がいるのだそうだ。だが歩は全員とは違う答えを言った。 「俺は行きますよ」 「えっ!?💧」 「ハァ!?💦」 「んなっ!?💧」 「嘘…」 「マジかよ…」 「……」 静かな声で歩がそう答えたため、それを聞いたマスター・ロゼット以外が目を見開いて歩の方を見た。歩はその目線を気にする事なくマスター・ロゼットの方を見た。今まで沈黙だったマスター・ロゼットだが、歩の目を見て口を開いた。 「考えはあるのか?」
/682ページ

最初のコメントを投稿しよう!

59人が本棚に入れています
本棚に追加