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「何すんだよいきなり!?」
「それはこっちの台詞よ!まだ着替えてる途中なのに勝手に入って来ないで!💢」
「変態バカ」
「だからって容赦なく蹴飛ばすなよ!」
椎名は茜に蹴飛ばされたために少々キレていたが、茜はそれ以上にキレていた。陽はその事態を見かねたように椎名に向かってバカと言った。
「陽、悪いんだけど椎名あっちに連れて行ってくれない?」
「了解」
「なんでこうなるんだ~!?💦」
茜は陽に頼み、椎名を別の場所に連れて行かせた。茜はそのままスタッフに探しに向かった。そして時間が進み、リーザの森にある薔薇の館では歩が集まった他の殺し屋と共にマスター・ロゼットの話しを聞いていた。
「……っとまぁこんな感じだそうだ」
「相手は相当根が腐っていると判断しました」
「イカサマみたいな方法を使って相手の金を騙しとる、明らか詐欺のプロだな」
「私が持ち合わせていた情報とポーカーが集めた情報を調べるとかなり怪しいという訳だ」
マスター・ロゼットは手を交差させて円卓に肘を付き、集まった情報の結果を歩達に話した。歩は表情を1つも変えてはいなかったが、周りはかなり悩んでいる様子だった。
「……問題は今回のターゲットの所にエビルを1人で行かせて良いか、って事ですよね?」
不意にギアが手を挙げながらマスター・ロゼットに訪ねた。マスター・ロゼットは真剣な様子で首を縦に振った。
「今回はかなり危険を伴う可能性がある。何より相手は側近として厄介な炎属性の特異能力者がいる」
「たった1人で何人もの殺し屋を焼死させています。失態を犯した事は一度もないそうです」
「雷属性のエビルじゃ不利だよ!💦」
「やめといた方が良いんじゃないか?」
「いくら強くても相手との愛称が悪いんじゃな」
その場にいる全員が歩の身を案じ、行かせない方が良いという意見を言った。どうやら相手は歩の復讐すべき対象らしいが、その近くには特殊な炎属性の特異能力者がいるのだそうだ。だが歩は全員とは違う答えを言った。
「俺は行きますよ」
「えっ!?💧」
「ハァ!?💦」
「んなっ!?💧」
「嘘…」
「マジかよ…」
「……」
静かな声で歩がそう答えたため、それを聞いたマスター・ロゼット以外が目を見開いて歩の方を見た。歩はその目線を気にする事なくマスター・ロゼットの方を見た。今まで沈黙だったマスター・ロゼットだが、歩の目を見て口を開いた。
「考えはあるのか?」
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