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この少年は宝玉 輝。成績優秀な優等生。IQ270。泪とほぼ互角の実力でもあり、絶対音感の持ち主でもある。かく言う輝もホーリースターズの一員なのだ。
「泪さんはご存知ですか?」
「え?なんの事?」
泪は不思議そうな様子でなんの事を言っているのかを聞いた。そんな泪の様子を見て輝は説明した。
「今日、転校生が来るそうですよ」
「そうなの?」
「詳しい事は導君にお聞き下さい」
「わかった、ありがとう」
そう言うと泪は輝と別れて自分の教室に向かった。泪は自分の教室に入ると、一番後ろの自分の席に向かった。その隣の席に座って携帯をいじっている少年に話しかけた。
「おはよう導♪」
「ん?あぁ泪。おはよう」
天界 導は新聞部に所属しているため仕事熱心なのだが、ある事件が原因で記憶喪失気味になっている。もうわかっているだろうが、導もホーリースターズの一員なのだ。
泪、愛、流、加奈、輝、導、この6人が初めて揃ってこそ怪盗ホーリースターズと呼ぶ事ができる。 導は携帯をいじるのを止め、泪の方を見た。泪も教科書と筆記用具を机にしまうと導の方を見た。
「そういや今日の事は知ってるか?」
「転校生が来る事までは一応…」
「お前それでも理事長の孫娘なのか?」
それを聞いた導は呆れた様子でため息をついた。ロッカーから資料を持ち出してきた。転校してくる人数は5人。男子2人、女子3人で出身も住所も5人全員同じらしく今日の朝礼の時に自己紹介があるらしい。
「ここまで調べるなんて……流石コメットね」
コメット、それが導の怪盗時の呼び名。普段は本名で呼ぶが怪盗の時はコードネームで呼びあうのだ。
「今はその名前で呼ぶなよ💧」
「ゴメンゴメン♪」
泪は明るい口調で言った。すると資料を見ていた導がある事に気付いた。
「ってかこの住所、加奈の隣だな」
それを聞いた泪は寝坊して慌てて加奈と光学園に向かおうとした時に出会った黒がよく似合う少年の事を思い出した。
「もしかして…あの時の」
「どうした泪?
「実は…
…なの」
泪は少年の顔を一瞬だけ見ていた。意外にも少年は美形だった。普通は見とれてしまうが、泪は洞察力に優れているため少年が左目にカラーコンタクトを着けている事に気付いた。
「朝礼で転校生は紹介しないし…」
「兎に角朝礼で確めよう」
導の案に泪が賛成した時丁度予鈴がなり、朝礼が行われる体育館に向かう途中で加奈達に詳しい事を話した。
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