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「これは、横領の書類!?」
「ここの館長さんは何かとずる賢いみたいだからね、その金庫の蓋軽く叩きなよ」
「蓋を?」
『コンコンッ』
「随分軽い音だな、金属じゃないのか?」
歩は叩いた音が随分と軽いため、普通の金庫と使われている金属が違う事に気付いた。
「その金庫はアルミニウムでできてるの。普通の金属より軽いから天井に隠すにはもってこいって訳」
「だから天井から出て来たんだ…」
[って事はずっと金庫は天井にあったって事かよ!?💧]
金庫が前から天井にあった事に驚く真理。アースはニシシと笑った。
「まぁ私達は目的はこれで達成した訳だからこのまま帰らせてもらうね♪」
「あっ待ってよアース!💦」
「あぁ!逃げるな!💧」
金庫と証拠を見つけたという事でアースはそのまま部屋から出て行き、ジュピターも慌ててアースの後を追って部屋から出て行った。
それを見ていた歩はアースとジュピターが逃げたという事にようやく気付き、資料を抱えながら走り去った。
「歩の奴、どんだけホーリースターズ一直線なんだよ💧」
[前からあんな感じなのか?💧]
「多分💧」
「なんか俺らがこの都市に来る前からあんな感じみたいだぞ?」
玄武は呆れた様子で真理に説明した。ホーリースターズと歩がいつも目の前で起きたような光景を繰り広げていたのだと思うと、とてもついて行けそうにないと考えた。
[なんか調子狂うなぁ💧]
「まぁ何はともあれ麒麟達の所に行こうぜ」
「………」
「朱雀?」
「なん…でもない」
朱雀は歩を見ながら、歩に対する自分の中の疑問を何度も考えた。
(さっきの態度といい、前の雰囲気といい、どっちが本当の歩君なんだろう?)
[早いとこ逃げてご主人様に香葉呼んでもらおうぜ]
「そうだなって朱雀腕の血やばくね!?💧」
玄武は朱雀の怪我を見て焦った。理由は朱雀の右腕からかなりの血が流れていたからだ。それを見た朱雀はポケットからハンカチを取り出し、傷口に巻き付けて止血した。
「結構……流し……ちゃった」
「何やってんだよ、あ~血が床にまで落ちてやがる」
玄武は文句を言いながら朱雀の血に触れた。すると朱雀の血はみるみる内に宙に浮かび上がり、水に包まれていき小さな水玉になった。
「コイツはあとで別の場所に捨てとこうぜ。それまで俺がコイツを持っとくよ」
「うん…頼むね」
[兎に角早く行こうぜ]
真理がそういうと朱雀達も急いで部屋から出て行った。
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