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そう言いながら椎名は地面に穴を掘ると、ポケットから茜の血が入った水玉を取り出して穴に捨てた。そして掘り出した土を上から被せて埋めると手を払った。
「これでよしっと」
「それじゃあ戻りましょう」
「そうだな」
春達はヴァルキリー・マリアを持ち、美紅との待ち合わせの場所に向かった。その頃フィリップ美術館では歩が持って来た横領の資料に
より、現場はごった返していた。
「つまり、この資料を見つけたのはホーリースターズ、ヴァルキリー・マリアを盗んだのは守護獣という事なんだね?」
「はい、今回は両者共に引き分けという事になりますね」
「警部これからどうしますか?」
「とりあえず本庁に連絡してフィリップ美術館の館長宅に家宅捜査の許可を出してもらおう」
「わかりました」
鬼塚警部は部下達に指示を出しながら歩との会話を続けた。
「歩君も今日の所は帰りなさい、もうすぐテストだろう」
「わかりました、それでは今日はこの辺で」
そう言うと歩はフィリップ美術館から離れ、そのまま帰宅したように思われたが違う道を歩いていた。
「俺にはまだ本業の方が残ってますよ、警部」
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