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泪は急な樹々から呼び出しの内容が書かれたメールが送られて来ていたため、急いで大学部の方に向かっていたのだ。
(高等部から大学部の料理棟って結構距離があるのよね~💧)
泪はそんな事を心の中で呟きながら大学部の料理棟に入った。
(樹々は今何処にいるのかしら?)
「すみません、森高 樹々さんが今何処にいるかわかりませんか?」
「森高さんなら今の時間帯は調理室にいるわよ」
「ありがとうございました!」
大学部の生徒から樹々の居場所を聞いた泪は急いで調理室の方に向かった。調理室に着くと扉を叩いて中に入った。
「樹々ー、来たよ~」
「泪!良かったちゃんと来て
くれて」
「そっちから呼び出したくせに何よその言い方。それで呼び出した用件は何?」
「実は友達がね、自分の家庭にずっと昔から伝わって来た掛け軸を盗られちゃったみたいなのよ」
急に樹々が掛け軸の話しを持ち出して来たため、その話しを聞いた泪は樹々が何を言いたいのかを悟り、ため息混じりで話しの答えを言った。
「つまり、アタシ達にその掛け軸を盗み返せって事よね?」
「その通り!流石泪、頭良い♪」
友人の掛け軸を取り戻して欲しいという樹々の依頼を聞いた泪だったが、呼び出された理由がそれだけではないと考えていた。
「それなら普通に電話してくれれば良かったじゃない。メールって事は理由が他にもあるって事よね?」
「そうなの!さっきマカロンを沢山作ったから導君達と一緒に食べなよ」
そう言うと樹々は何処からともなく大きなタッパーを取り出し、泪の目の前に置いた。
「樹々ぃ、これは流石に作り過ぎよ💧」
「良いじゃない、食べきれなかった残りは全部導君が食べるんだから」
「だったら幾つか直人さんにあげなよこれ💧」
「直人君にはもうあげちゃったもん」
(それなら友達とか他の人にあげたら良いのに💧)
泪は強制的に持たされたマカロンが入ったタッパーを見ながら料理棟から高等部に急いで戻った。急いで高等部に戻り、タッパーを持ったまま体育館近くにある新体操部専用の更衣室で練習用のレオタードに着替え体育館に向かった。
「すみません遅れました!💦」
「光さん遅いわよ。他の子達は皆練習を始めてるわ」
「ハイ!すぐに始めます!💦」
泪は焦りながら急いで練習の準備に入った。その際先に来ていた加奈が泪に声を掛けて来た。
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