59人が本棚に入れています
本棚に追加
1-D 輝クラス。担任、大西
「ってなわけで転校してきた白石智美さんや」
「皆よろしくね♪」
智美の一言だけで輝のクラスは十分すぎるほど騒がしくなった。
「皆静かにしぃや。ほなまず委員長からやな」
委員長というのは輝の事だ。輝は1-Dの学級委員長を引き受けているのだ。
「委員長よろしくって委員長!?」
大西が声を掛けた時、輝は雑音に聞こえてくるクラスメイトの声で伸びていた。輝の手には
『宝玉 輝と申します。1-Dの学級委員長をしております』
っと書いてあるノートのページを持っていた。ある意味恐ろしい執念かもしれない。
「委員長しっかりしぃや!💦」
大西が声を掛けてもうまく反応できない輝であった。
1-E 加奈クラス。担任、桜野
加奈は椎名が同じクラスメイトになる事がやはり気に喰わなかった。
(何で彼奴が同じクラスなのよ~💢)
加奈が心の中でそう呟いた丁度その時、廊下の方から慌ただしく足音が聞こえ1-Eの扉が開いた。
立っているのは寝癖が酷く、息づかいが荒い男子生徒だった。
「最悪だよ、今日朝礼あったのに」
「歩!なんで遅刻したの!?」
七瀬 歩(ナナセ アユム)は加奈のクラスメイトにして小学四年生からの性別を越えた大親友なのだ。
因みに歩は刑事の子供でどういう訳か怪盗ホーリースターズを捕まえようとしている。
「それが目覚まし時計かけるの忘れてて急いで走ってたら引ったくり見つけてそいつ捕まえて今来たところなんだ」
「何そのあり得ない状況!?」
加奈は思わずツッコンでしまった。丁度その時、担任の桜野が入って来た。
「あら?七瀬君」
「あっ先生!すみません。目覚まし時計かけるの忘れてて急いで走ってたら引ったくり見つけてそいつ捕まえて今来たところなんです💧」
歩は加奈にも言った長く意味の解らない説明をした。
「まぁいいわ、とりあえず席について💧」
歩は言われるがままに加奈後ろの方にある自分の席に座り、加奈が機嫌悪そうにしている事に気づいた。
「加奈、何かあったのか?」
「別にぃ、イラついてるだけ」
それを聞いた歩はこれは今朝何かあったなと感づいた。 それから少しして椎名が教室に入って来た。
「七瀬君以外知っていると思いますが」
「黒田 椎名だ!よろしく!!」
一気に騒がしくなり、加奈はイライラが増した。それからしばらくして椎名は席についた。そこは加奈の左隣で周りは羨ましそうに見ていたが加奈本人は迷惑だった。
最初のコメントを投稿しよう!